<面白昆虫図鑑>

昆虫の生態、形態、色彩はまさに千変万化で自然の神秘を感じさせてくれますが、 自然散歩中に私が撮影した昆虫の中で面白いなと思ったものを採り上げました。

①保護色・迷彩色

左の3枚は市街地でアブラゼミに次いで一般的なニイニイゼミですが、いったい何処にいるのか見分けにくいですね。4枚目はキノカワガ(コブガ科キノカワガ亜科)ですが何処にいるか分かりますか?その名前の通り樹の皮そっくりでこれは保護色というより擬態かもしれません。

②ヨコヅナサシガメ(横綱刺亀)

冬、雑木林の桜の木の幹などに黒い塊を見かける。それはこの幼虫がコロニーをつくって越冬中であることが多い(写真左)。春、幼虫から成虫へ脱皮した直後は赤い色をしているが、まもなく黒くなってしまう。

ヨコヅナサシガメはカメムシ(甲虫)の一種で、長い口吻で毛虫などを突き刺してその体液を吸う。

また、成虫は腹部の縁が白黒斑で張り出しているため、それを相撲の横綱のまわしに見立ててヨコヅナサシガメと名付けられたという。

私は経験ないが、うかつに触ると口吻で刺されるということですからご注意ください。

③カメノコハムシ(亀の子葉虫)

ハムシ科カメノコハムシ亜科の昆虫で、ご覧のとおり透明な陣笠を被ったような特殊な面白い形をしていおり、その形から陣笠葉虫ともいわれる。

これでも飛ぶことができ、主に植物の葉を食べるため、ときには農業害虫にもなる。

④飛べない蛾

蛾の仲間には、フユシャク(冬尺)といい雌の翅が退化して飛べない蛾の一群(日本には36種いる)がいる。

その名の通り冬から早春にかけて出現して生殖活動をし、食事もしないという面白い蛾です。

フユシャク以外にもメスコバネマルハキバガの雌(上の写真8枚中の右下)、ドクガの一部やミノガの仲間にも同様に雌が飛べないものがいます。

雌は飛べないため左の写真のように腹部からフェロモンを出して雄を呼び(コーリングといいます)交尾します。

2枚目は交尾終了後?のペア、右の2枚は交尾の様子です。交尾中は雌優位で雄を引っ張って歩きます。

⑤Love!Love!❤❤

左の写真:背中にハートの紋をつけてラブラブしているのがエサキモンキツノカメムシ(江崎紋黄角亀虫)です。左側のやや小さいのが雄です。お暑いことですね。

 

中の写真はエサキモンキツノカメムシによく似ていますが、紋がハートではなく逆三角形で別種のモンキツノカメムシです。

 

右の写真はハサミツノカメムシ(鋏角亀虫)です。光沢のある緑色をしていて、両肩とお尻の鋏が赤色という何ともダンディなカメムシですね。

 

これらのカメムシの雌は産んだ卵を2齢の幼虫になるまで育てるという習性があります。凄いですね。

⑥錯覚を起こさせる模様を持つ蛾

①骸骨蛾?

この2種の蛾は、目の錯覚でしょうか透けて見えませんか?正に目の錯覚で模様と配色のため平坦な翅に不思議な立体感が出たり透明に見えたりしているだけです。

 

左側のオオアヤトガリバ(大綾尖翅)は立体的で骨?が透けて見えるようですし、右側のギンモンスズメモドキ(銀紋雀擬)は向こう側が透けて見えるようですね。

 

オオアヤトガリバはカギバガ科トガリバ亜科、ギンモンスズメモドキはシャチホコガ科の蛾です。シャチホコガ科の蛾は他にも変わった模様の蛾がいます。

② 捲れ模様

この蛾(ホソオビアシブトクチバ)は翅の端が捲れているように見えませんか?なんのためにこのような模様を付けるのでしょうか?

⑦ビロードツリアブ(天鵞絨釣虻)

春にだけ出てくる虻の一種で、いわゆるスプリングエフェメラル(春の妖精)の一つでしょう。

ビロードのような温かい毛に覆われ、ホバリングしながら花の蜜を吸う。林縁などでよく見かけられる普通種です。

右の写真のように、吸蜜の様子が花から釣り下がっているように見えるところから名付けられたようです。

 

⑧音を出す蛾

金色の綺麗な蛾ですね。ウコンエダシャクといい前翅の付け根にある透明の窓のようなところを使って音を出すということです。

私は聞いたことがないのですが、どんな音をどのようにして出すのか聞いてみたいものです。

外国産のヒトリガの1種で自分を食べようとする蝙蝠に対して大きな連続音を出して逃れる蛾がいるそうですし、日本でもスズメガの幼虫(メンガタスズメ、ブドウスズメ、モモスズメの幼虫)で刺激すると顎を摺りあわせて音を出すものがいるそうです。

⑨蛾の擬態

最初の写真の蛾はアゲハモドキでその名前の通り2番目の写真の揚羽蝶(ジャコウアゲハで毒をもっている)に、2~3番目の蛾(順にオオエグリバ、ヒメノコメエダシャク、ミヤケカレハ)は枯葉に、最後のツマキシャチホコは木屑に夫々擬態しているように見えますがどうでしょうか?

蝶では、クロアゲハ、オナガアゲハはいずれもジャコウアゲハに擬態しているといわれている。

また、蛾のヨツボシセセリモドキ、ニホンセセリモドキは蝶のミヤマセセリに擬態しており、蛾のモンシロモドキは蝶のモンシロチョウに擬態しているといわれます。これらの擬態する理由は私には分かりません。

さらに、蝶のコノハチョウの裏面が枯葉にそっくりなのも有名です。

最後はアケビコノハの幼虫で体に目玉模様があります。脅したり触ったりするとこのような態勢をとり目玉模様が目立つようにします。威嚇しているように見えます。

⑩異形のトンボ(蜻蛉)

名前は「アカトンボ」等と同じ「トンボ」ですが、姿は大いに異なります。

 

左側のオオツノトンボはトンボに長い角を付けたような姿ですが、ウスバカゲロウに近い昆虫です。幼少の頃、この妖精のようなトンボを見つけて胸を躍らせた記憶があります。この写真のように腹部を上にあげ翅を畳んで止まることが多い。

幼虫は、蟻地獄のように牙をもっているが蟻地獄のような巣は作らず、雑木林の落葉や石の下などに住み小さな昆虫を食べます。

 

右側のヘビトンボはやはりウスバカゲロウの仲間で、翅を広げると約10cmにもなる大型の昆虫です。幼虫は清冽な川の石の下などに住み、川ムカデともいわれ頑丈な顎をもつ肉食の昆虫です。

⑪蜘蛛専門の狩人蜂

オオモンクロベッコウバチが獲物を運んでいるところです。

ベッコウバチの仲間は、蜘蛛を専門に狩る蜂として知られ、外国には有名な大きい毒蜘蛛タランチェラを専門に狩りする体長6cm以上あるオオベッコウバチというのもいるそうです。

 

先ず蜘蛛を見つけると攻撃して仮死状態にし、巣穴を掘るに適した場所へ運び、巣穴が完成すると蜘蛛に産卵し、巣穴に埋めます。卵から孵化した幼虫は新鮮な(仮死状態の)蜘蛛を食べて成長するのです。

⑫オトシブミ(落とし文)

クルリと巻かれた木の葉を新緑の雑木林や公園の道で見たことがありませんか?これはオトシブミという小さな甲虫が作った巣(揺籃)なのです。

オトシブミはクヌギなどの新葉を巧みに巻いてその中に卵を産み付けます。その揺籃はそのまま樹上にあることも地上に落ちることもありますが、卵から生まれた幼虫はその葉を食べて育つという訳です。

 

江戸時代には公然と渡せない恋文などの文書(巻紙)を道に落として渡すことがありましたが、その文書に例えて名付けられたといいます。

俳句の夏の季語になったり、和菓子の名前になったりしています。

オトシブミは世界に約1,000種、日本に32種います。

⑬翅を折り畳む蛾達

蛾には翅を複雑に折りたたんで止まる種類がいます。

左側のオカモトトゲエダシャクは、前翅は横に後翅は縦に折り畳みます。2、3番目の写真のブドウトリバガとフサヤガは前後翅とも横に折り畳んでいます。最後のモモブトスカシバに至ってはどう折り畳んでいるか?分からないくらいです。

もちろん飛ぶときは翅を広げるのですが、どうして?なぜ?こんな風に折り畳むのでしょうか?

⑭鳥の羽を持つ蛾

ご覧の蛾らしくない蛾は、翅を広げても13mmぐらいの小さな蛾ですが、ニジュウシトリバガ科のニジュウシトリバガです。

写真をクリックして拡大するとよく分かりますが、片方の翅について前翅に8本、後翅に4本、両方の翅を合わせると24本の鳥の羽根のようなものを持っているように見えます。その羽根には骨まであるように見えます。

蛾の形態は千変万化ですが、このような不思議な形態をした蛾は、この仲間の3種だけでしょう。

⑮孤独な女王蜂

女王蜂といえば、多くの働き蜂や雄蜂にかしずかれて優雅に暮らす蜂を連想しませんか?

実は、女王蜂は子孫を残すため孤独な生活もしているのです。

女王蜂は冬の間枯れた樹木の中などで一人越冬しています。

春になり冬眠が明けると一人で小さな巣をつくり、先ず少数の働き蜂を育て徐々に巣を大きくしていき、やがて多くの蜂たちにかしずかれ卵を産むだけの優雅な?生活をするのです。

どうですか、女王蜂といえども苦労しているのですね。

⑯ムカシトンボ(昔蜻蛉):雌♀を略奪する雄♂

ムカシトンボは原始的な形態を持った生きている化石といわれる昆虫の一種です。

止まるときも翅を閉じることが多いというような特徴を持っているが、産卵中の雌を襲いどこかへ連れ去るという面白い習性がある。

写真左から、産卵中の雌、2~3枚目で雌を襲い、4枚目のように雌の首を押さえて連れ去ろうとしている。この後飛び去ってしまいました。

既婚の雌をとらえてどうするのでしょうね?

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